(馬の本)戦火の馬

S☆A

2016年08月11日 19:08

だいぶ前から子どもの本棚にならんではいたのですが、
読む機会がなかなかなくて、やっと読みました


時は第一次世界大戦前夜、
イギリスの田舎町の農家ではじまります

そして開戦、
イギリスとドイツの戦争のためにフランスに軍用馬として渡り、
タイトル通り、戦火をくぐり抜けた馬のおはなしです

その馬の名前はジョーイ
ジョーイが語り手になっていて、とても読みやすいです

はなしは戦場がおもな場所になっていて、
きれいごとではすまされない、心が痛む話なのですが、
馬と人との心の交流がメインになっているために、
読んでいて救いがあります


ただ、初めて知ったのは、
第一次世界大戦時には、たくさんの馬が軍用馬として使役されて、
海を渡って戦場に行き、
人の兵と同じように苦しい戦いをして、傷つき、死に、、、

そして終戦時に生きていたとしても、
人の兵しか海を渡る費用がなかったために、
競売にかけられ食肉業者に売られた、
という事実があったそうです
人の都合で、、、


馬のジョーイが戦争という厳しい状況で、
苦しいなかで出会ったさまざまな人から愛情をうけて生き続け、
戦争前の幸せだった頃の飼い主に再会できる、という
少々出来すぎな話ではありますが(そこのところはフィクションですから)、
ジョーイの気持ちに寄り添って涙がでました


日本でも戦争中は軍用犬とか軍用馬がいたようです
なんともやるせない話です

でも、かんがえてみれば、
ナポレオンも馬に乗ってたし、
チンギスハンも馬に乗ってたし、
信長だって馬の乗って戦ってたのだなって。。。

昔から馬は戦いのために働かされてきたんですね。。。
英雄と呼ばれる人々のかげでどれだけの馬が犠牲になっていたんだろう?
もちろん馬だけじゃなく人だって、、、
数々の戦いでどれだけ多くの命が失われてきたんだろう?
現代の戦争には動物はまったくそぐわなくなってますが、
騎馬戦は歴史上の戦いではごくふつうのことだったんですよね。。。

地球上で戦いがまったくない平和な時ってあったんだろうか?
ってふと思いました
人や生きものがおだやかに暮らせる世の中であってほしいと、
こころから思います



「戦火の馬」は児童書なので、2時間もあれば読めます
訳者のあとがきを見ると、映画にもなったと書いてありました
たくさんのこどもたち、おとなたちが読んだり観たりして、
いろんなことに思いをはせるきっかけになったらいいな~って思いました


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